せっかく新しい車に乗り換えたのにぶつけられた!
新車で買ったばかりの車が事故にあう・・・なんてエピソードをちょくちょく見ますが、実際ぶつけられた側はたまったもんじゃないですよね。
今回はそんなせっかく買った新車が事故に会った際の対応について書いていきます。
目次
新車が事故ったら相手に新車を補償してもらえる?
結論から言うと、10対0で相手が悪いとしても新車を持ってこい!みたいなことはできません。
というのも、新車の定義としてはナンバープレートが付く前の車で、車両登録をしてナンバープレートがついた時点で中古車となります。
そのため新車となると車両登録していない車を補償することになるので、実質新車を請求するのは無理ということです。
訴えたら新車を補償してもらえる?
今の所過去に事故を原因として新車を補償してもらえた判例はありません。
そのため新しい車が丸々返ってくるということはありません。
新車が事故にあったら新車特約を使うべき
通常の車両保険は事故の修理費の上限が車の時価の価格となります。
仮に300万の新車を購入し、その後事故にあったとしても、事故当時の車の時価が200万円なら、補償の上限は200万円ですね。
しかし、新車特約に加入していれば上限はありますが、この時価を超えて修理費を補償してくれます。
上記のようなイメージです。
車は初年度以降、時価で見ると価値が下がって行くので、車両保険も時価までしか補償できませんが、新車特約は車の時価を超えて新車時の価値までが補償上限となります。
つまり諸費用など、他にかかる費用含めて車の修理を全て保険でまかなえるということです。
等級は下がりますが、検討しても良い内容と言えますね。
新車特約で修理して売却するのもアリ
新車特約で修理したところで事故車であるのは変わりないじゃないか!と考える人もいるでしょう。
たしかに事故車となると修理したとしても、その後運転するのに不安はつきまといます。
そんな方には修理後の車を売却して、新しく車を買い替えるのがいいでしょう。
事故車といえど、売却する方法はありますし、行動力のある人であれば高額で売却も可能です。
事故車になったとして査定額が下がる分の保証はしてもらえる?
いくら新車同様にピカピカの状態に修理したとしても、事故にあったという経歴は消えません。
ただ事故歴のあるなしに関わらず評価損は免れないため、相手に請求しようと考えるのは自然でしょう。
事故による評価損を請求する場合は、修理代の20~30%分が相場です。
ただし、これはあなたから動いて相手の保険会社との交渉が必要となります。
保険会社相手に評価損を請求するのは苦難の道
こっちが被害を被ってるんだから請求して当然じゃないか!と考える方もいるでしょう。
実際正論ではあるのですが、相手の保険会社は「はいそうですね」と認めてくれるわけではありません。
反対に「は?それ本気で言ってる?」ぐらいのスタンスで交渉してくるでしょう。
というのも、この「評価損」というのは立証しづらい側面があるのです。
評価損は個人で立証がしづらい
先にも述べたとおり、車は年々劣化してくるので、当然価値は下がっていきます。
そして事故による影響があったとしても元々の経年劣化の影響から、事故の影響というのは年を追うごとに少なくなっていくと考えられています。
そのため、年数(年式)が古い車ほど、また走行距離が長くなればなるほど立証が難しくなるのです。
では個人での立証が難しいとするとどうすればいいのか?次は評価損の立証方法について書いていきます。
評価損を立証するなら自動車査定協会に依頼すること
個人で立証しづらい評価損ですが、この評価損を第三者の視点から査定してくれる団体があります。
それがJAAI(日本自動車査定協会)です。
JAAIは車査定のプロとして認める査定士の認定や試験を行ったり、今回のような評価損の査定を受け付けている一般社団法人です。
査定士はお宝鑑定団に出てくる鑑定士の車版と考えてもらうとわかりやすいですね。
ディーラーにもJAAIに認定された査定はいますが、保険会社との兼ね合いで受けることをためらいます。
そのため評価損を立証するなら必ずJAAIに依頼するのがいいですね。
評価損を立証するにあたって、JAAIに「事故滅価証明」というのを発行してもらいます。
事故滅価証明とは?
引用元:JAAI
上記が事故減価証明書のサンプルです。
少し見づらいですが真ん中に「あなたから依頼された下記自動車の事故損傷による減価額(復元修理費を除く)の評価は上記の通りであることを証明します。」という記載あります。
このように一般社団法人という非営利の自治体から、事故によってどれだけ価値が下がったかを証明してもらえるので、保険会社にも有効な書類です。
事故減価証明は事故車が条件
事故減価証明は事故車であることが条件です。
事故車(事故歴)というのは事故にあった=事故歴というわけではなく、定義が存在します。
つまり事故にあったといえど、軽微な傷で済んでいるのであれば事故車と認められず、事故減価証明は受けられないのです。
裁判に発展するようであれば弁護士特約を使うこと
10対0で100%相手が悪い場合は保険会社と交渉して事態を収めます。
しかしこれが8対2や7対3といったどちらにも少なからず過失があるとなると、必ずといっていいほどモメます。
ただ相手が威圧的な態度を取ってきたり、冷静に対処するのがしんどいという性格の人もいるでしょう。
そんな時は問題解決のプロこと弁護士に間に入ってもらうのがいいですね。
ただ弁護士に依頼するにも高いイメージがある・・・という方に朗報ですが、弁護士特約を使えば依頼費が保険でまかなえます。
弁護士特約は保険加入時に入っておくべき
弁護士特約は現在保険に加入している人の60%以上が加入済みの特約です。
加入していると弁護士費用を最大300万円まで保険で賄うことができ、事故関連の場合は通常300万を超えるような事案はおきないので、ほぼ全額保険で賄えると考えていいでしょう。
ただし適応範囲などは必ず保険会社に確認をして欲しいのと、こちら側が100%悪い場合は弁護士特約は対象外になるのでご注意ください。
新車が事故にあって事故車になってしまった!まとめ
いかがでしたでしょうか?
新車が事故に巻き込まれたとなるとそれだけでショックですが、損をしないように立ち回るのが大切です。
新車として丸々戻ってはきませんが、新車特約を使って修理→売却して新しい車の頭金にしたりと、できることはあります。
また、修理後も乗り続けるようであれば、事故減価証明をとって保険会社と交渉するのもいいですね。
いずれにせよ早く解決するのが一番ですが、なるべく損害を最小限にするためにも、いざとなったら弁護士特約をつかって弁護士に依頼するのもアリですよ!